2015年12月8日(火)、神戸大学大学院国際協力研究科棟1階大会議室にて、日本学術振興会研究拠点形成事業 (アジア・アフリカ学術基盤形成型)第6回セミナー「開発途上国における基礎教育行財政と公共政策」が開催されました。今回のセミナーでは、中東とアフリカに焦点を当てて、イエメン、ウガンダ、ケニアの基礎教育行財政に関する研究発表を行いました。また、本研究科が実施している国際協力機構の課題別研修「教育行財政」に参加している開発途上国(ブルキナファソ、コートジボワール、マリ、モロッコ、ニジェール、ハイチ、チャド)7 ヵ国から 13名の担当官が本セミナーに参加して、教育政策策定者としての専門的見地から助言が為され今後の研究の向上につなげることも本セミナーの目的としました。

第一部では、「中東とアフリカにおける基礎教育財政」をテーマとして、イエメン教育大臣アドバイザーのセヤニ・ハモッド氏が「イエメンにおける学校を拠点とした開発-困難な状況下の集団に注目して-」という題目で発表をされました。続いて、筑波大学教育研究科助教の川口純氏が「障害をもつ生徒のための教育行財政―インクルーシブ教育および特別教育の比較研究―」について発表をされました。第一部の最後では、同研究科博士後期課程の島田健太郎氏が「ケニアにおける初等教育無償化政策が将来の幸福に与える影響」に関する研究成果を発表されました。第一部では、日本の教育研究ではあまり取り上げられない中東イエメンの教育、インクルーシブ教育、ケニアの教育といった多様な発表を通じ、様々な角度から参加者と教育財政について議論し、また知識を深める非常に有益な時間となりました。

第二部は、「ウガンダにおける基礎教育行財政」をテーマに行われました。まず初めに、同研究科博士後期課程在籍、及びウガンダ教育スポーツ省上級政策担当官のオクルト・モーゼス・ジェジェ氏が「ウガンダにおける中等教育無償化政策の施行」について発表され、次に同研究科博士後期課程の坂上勝基氏が「初等教育無償化政策下における家庭支出の役割-ウガンダ地方部の事例」という題目で発表をされました。最後に、神戸大学大学院国際協力研究科博士前期課程の沼澤建氏が「ウガンダ公立初等教育における教員の欠勤要因の実証分析」に関して発表をされました。第二部では、ウガンダの教育について研究をしている同研究科大学院生の発表を通じ、ウガンダの教育を多用な視点で分析し、各課題の解決策を参加者間で話し合い検討する貴重な機会となりました。

本学が2014年4月から実施している日本学術振興会研究拠点形成事業(アジア・アフリカ学術基盤形成型)「教育行財政研究」は、本研究科の小川啓一教授がコーディネートされています。本事業の主な目的は、本事業に参加しているアジア・アフリカの研究機関のシニア研究者が大学院生を含む若手研究者と共同で研究を実施することにより、若手研究者を育成することです。

本セミナーでは、開発途上国の第一線で活躍する教育省官僚から直接に質問やコメントをいただく機会となり、研究発表を行った若手研究者にとってはとても貴重な機会となりました。また、研究発表を行っていない若手研究者にとっても、本セミナーを通して、日本と海外の研究者・実務者の交流を深め、さらなるネットワークの充実を図ることができたと考えられます。

文責:博士課程後期課程一年 崔善境

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Category: 拠点形成事業セミナー